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再生医療 - いろは動物病院

再生医療

当院では、再生医療(免疫療法)を実施しています。

『全身麻酔や外科的手術をせずに、癌の治療をしたい。』

『全身麻酔や外科的手術をせずに、麻痺の治療をしたい。』

『極力、副作用の無い、癌の治療をしたい。』

『加齢による足腰関節の痛みを軽減してあげたい。』

『アンチエイジング』

・・・など、

こういった悩みをお持ちの患者さんに対し、再生医療(免疫療法)がお役に立てるかもしれません。

再生医療とは?

当院で実施している再生医療は、以下の2種類となります。

幹細胞(脂肪由来幹細胞)による再生治療


脂肪由来幹細胞。写真提供(株)J-ARM
免疫細胞(Tリンパ球)による免疫療法


Tリンパ球。写真提供(株)J-ARM

『再生医療』という言葉からは、『失ったものを取り戻す治療』を連想し、『失った手や足の再生治療を実施しているのですか?』とよく質問されます。

実際の治療としては、『失ったものの再生』のための再生医療は、今のところ当院では実施しておりません。

では、どういった病気に対して、再生医療(免疫療法)が実施されるのかというと・・・

・癌(腫瘍)
・麻痺(脊髄神経障害)
・関節炎(多発性、老齢性関節炎)

等の疾患に対する治療法の中の一つで、特徴として、副作用が少なく全身麻酔がなくても実施可能な治療法、として再生医療(免疫療法)を提案しております。

例えば、、、ですが、(悪性ないし良性)腫瘍に対して・・・

・腫瘍があるが、治療・手術のための全身麻酔に耐えれそうにない。または、全身麻酔をかけたくない。
・腫瘍があるが、摘出手術だけでは、取りきれそうにない。
・腫瘍があるが、副作用が心配で化学療法(抗ガン剤)は使用したくない。

脊髄神経障害に対して・・・

・麻痺があるが、手術以外で治したい。
・検査のための、全身麻酔に耐えれそうにない。

多発性関節炎に対して・・・

・痛みがきつい。
・従来の治療薬の副作用を軽減したい。

癌(腫瘍)の治療には、通常、腫瘍の3大療法 『外科手術』 『化学療法(抗ガン剤)』 『放射線療法』をご提案する事になります。

従来推奨される3大療法には、全身麻酔に耐えられるかわからない、そもそも手術で取りきれない場所に癌がある、抗がん剤の副作用、等の問題点も確かに存在し、治療実施する前ないし途中で諦めざるをえない状況に陥る事もあります。

免疫療法の大きな特徴としては、従来の3大療法と比較して『副作用報告が少ない。』『全身麻酔が不要(ないし従来法に比べ麻酔負担が少ない)。』という点が、挙げられます。一方、免疫療法はまだ治療の歴史・エビデンス(証拠)が乏しく、従来の治療法を押しのけて実施されるようなもの、でもありません。

ですから、基本的な考え方として、

『治療はしたいが、従来法の効果がなかった。従来法の実施に同意できない(手術侵襲、麻酔負担、副作用等)。
でも、QOL(生活の質)が改善する可能性がある、“何か”をしてあげたい。』

という、患者さんにのみ実施させて頂く事になります。

治療の流れ

『幹細胞による再生治療』及び、『リンパ球による免疫療法』ともにですが、

1. 細胞の採取
2. 細胞の培養
3. 細胞の投与(点滴。全身麻酔 不要。)

という流れになります。

特徴としては、細胞の投与に全身麻酔が不要という点が挙げられます。

全身麻酔が不可能な症例にも実施可能です。脂肪幹細胞の採取には全身麻酔が必要な場合がありますが、近年、脂肪幹細胞の他家移殖(別の個体から採取した幹細胞を投与する)による治療成果が報告され始めています。この方法であれば、全身麻酔が一切不要となります。

以下、模式図((株)J-ARM社提供)

費用

『幹細胞による再生治療』及び、『リンパ球による免疫療法』ともにですが、

細胞採取・培養に対し、1回・・・6万円(税別)~ となります。

投与に要する処置(半日入院、留置確保、静脈点滴等)の費用が別途かかります。

(※また、一般状態を評価するための、事前の血液等の検査費用は含まれません。純粋に免疫療法のみの費用となります。)

脂肪幹細胞を用いた再生医療の場合、当院では、1度の細胞採取により、最高で3回投与を実施できます。

詳しくは、受診時に直接お尋ね下さい。

現在までの犬及び猫の再生医療に関する知見では、細胞の投与回数は、『何回以上でなければならない。』ないし『治療効果は投与回数に比例する。』といった明確な根拠基準は存在しません。しかしながら、やはり投与回数は多い方がより良い成果を得られる傾向にあり、当院でも複数回の投与を推奨しております。