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心臓病 - いろは動物病院

心臓病

心臓の役割と構造

心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。

心臓の内部は右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋で区切られており、心房・心室間血液の逆流を防ぐ弁[僧帽弁・三尖弁]があります。

犬の主な心臓の病気

●僧帽弁閉鎖不全症

左心房と左心室の間にある僧帽弁が変性や弁を支持する腱索が断裂する事で、完全に閉鎖しなくなり、血液が逆流してしまう病気。

<症状>初期…無症状。病気が進行するにつれ、疲れやすい・すぐ息切れする・咳・失神等。
 重度…肺水腫による呼吸困難。横になって寝れなくなる(ずっとお座りの姿勢を取る)等。
<好発犬種>小型犬、4~5歳から加齢とともに発症率が増加。
特にキャバリアは他の犬種と比較して若齢で発症しやすいと言われています。

●拡張型心筋症

心臓の筋肉が薄くなり、心臓がうまく収縮できず循環不全を引き起こします。

<症状>初期…無症状、症状が進むとふらつきや失神、乾いた咳等
 重度…肺水腫による呼吸困難
<好発犬種>大型犬、3~7歳から加齢と共に発症率が増加

●肥大型心筋症

心臓の筋肉が厚くなり心臓がうまく収縮できない為、循環不全を起こします。

<症状>初期…無症状
 重度…肺水腫による呼吸困難
<好発犬種>大型犬[特にシェパード・ドーベルマン等]
加齢に伴い発症率が増加。

猫の主な心臓の病気

●肥大型心筋症

心臓の筋肉が厚くなり心臓がうまく収縮できない為、循環不全を起こします。

血流が悪くなる事で血栓[血のかたまり]ができやすくなり、その血栓が血管に詰まると後肢が突然麻痺し激しく痛がります。

麻痺の症状がある場合は命を落とす危険がある為、出来るだけ早く治療が必要です。

<症状>初期…無症状。
症状が進むと元気や食欲の低下等
 重度…肺水腫や胸水による呼吸困難・血栓症による後肢麻痺等
<好発種>猫[特にメインクーン・アメショー・ペルシャ等]6~7歳から加齢に伴い発症率が増加。

心臓の検査

問診、聴診、レントゲン、心臓エコー、心電図、血液検査等

心臓の治療

内服薬投与:病気の進行を遅らせ症状を和らげます。(症状により薬の増減や変更する事があります)
食事療法:低塩分、低脂肪食を与える。肥満も心臓の負担となるので減量を心がけましょう。
運動制限:心臓に負担のかかる遊び(ボール遊び等)は控え、興奮させない様にしましょう。
運動調節:急な温度変化に気を付ける。夏は常に冷房をかける。冬は気温の低い早朝や夜の散歩は控える。

心臓病は内服薬や食事制限等により症状が治まったように見えても、病気自体が完治する事はありません。

調子が良く見えても飼い主さんの判断でお薬を止めたりするのは危険です。

何か気になる事があれば、必ず獣医師にご相談下さい。