犬や猫は口の中がアルカリ性で、虫歯菌が繁殖しにくい反面、歯垢や歯石が歯に付着しやすく、その中の細菌が原因となって歯周病にかかりやすい動物です。現在多くの犬・猫が歯周病にかかっていると報告されています。歯周病は放っておくとやがて歯が抜けるだけでなく、全身にも影響を与えかねない(心臓病など)と言われている、恐ろしい病気です。
人は毎日自分で口の中をケアすることができます。そして家族の一員である犬や猫にも同様のケアが必要です。動物での定期的な歯科検診や歯石除去とともに、幼少期から“家庭でのデンタルケア”を習慣づけましょう。
しかしながら、それでも歯石は少しずつ付着し、その結果口臭がきつくなったり、歯肉炎がひどくなったりします。その際は、一度歯石を取り除いてあげる必要があります。当院では、人でも用いる超音波スケーラーを準備しておりますが、人の様に『はい、口をあーんして下さい。』と言っても、犬や猫はしてはくれませんので、全身麻酔が必要です。
また、全身麻酔をかけるとなると、麻酔をかけても大丈夫かどうかを調べるために(歯石をとらないといけない犬・猫はたいてい中年以降ですし・・・)血液検査を推奨しています。また歯石処置を実施するなら、口のバイ菌が全身に飛ばない様予防する必要があります。
ですから、血液検査・全身麻酔・歯石除去・抗生剤投薬の費用が必要となります。当院では5kgの犬で全て実施すると2~3万円程かかります(病院によって費用は異なります)が、重度の歯石は心臓病や肝炎を引き起こす可能性もありますし、高齢になってからでは麻酔のリスクが増大する(場合によっては麻酔をかけられない、処置できない)ため、早めの処置・相談をお勧めいたします。